コラム/空間夢人 社長随録

2013年6月

60年に一度という「出雲大社 平成の大遷宮」へ5月25日から一泊二日で行ってきました。

私達夫婦と、息子夫婦、孫3人の総勢7人での移動でしたが、26日が「本殿遷座祭」でした。数年前にも彼の地へ行ったことがあり、忘れてしまっていましたが、その頃から「平成の大遷宮」の準備が始まっていたのでしょう。その時に、屋根か何かのための寄付をしていたらしく、義理堅く出雲大社から、今回、ご招待のお手紙が届いたのです。

 5月10日から29日間連続で行事が行われているらしく、最初の15日間は、大社に貢献度が高い人々の招待日で、その後は私達のような寄付をした人々の様でした。ご招待にあずかった人々は、普段は入れない門の中へ入れるということで、早速我が家では参加するかどうかの家族会議。
 普段は入れない門の中に入れること、60年に1度、という30歳以上の者は二度とないであろうチャンスであること、また私達も子供も良い想い出になるのではと思い、参加を決めました。
 いざ旅行の手配をしてみたら、飛行機は何とかなりましたが、困ったのはホテルです。インターネットの写真付きで出ている良さそうなホテル数件に電話をしましたが、どこも満室。慌てて出雲市の観光協会に電話をし、出雲大社に近い温泉地の名前を教えてもらい、「日本三美人の湯」という玉造温泉や湯の川温泉など、あちこちに電話をして、やっと湯の川温泉で7人が泊まれるホテルを見つけました。
 予約作業に入って初めて、今、出雲が国内で一番人気の場所であるということに気がついたのです。皆さん良くご存じだなぁと関心しました。
ちなみに、伊勢神宮も、今年は20年に1度の式年遷宮の年であり、出雲大社の60年に1度と重なっているそうですが、どちらも賑わっていたことでしょう。
 あれやこれやで、前日に出雲に入り、出雲空港でレンタカーを借りホテルのチェックインまで少し余裕があるというので、シジミで有名な宍道湖(しんじこ)をぐるりと一回り。
私の家内などは、田んぼなどの風景が、故郷の福岡に似ていて懐かしい風景だと言っていました。
また、ちょうど田植えが始まっていて、一面の田んぼに鷺のような美しい白い水鳥があちこち見え、やはり家内は、福岡も昔はこんな風景で、あの水鳥は田んぼの中のタニシやどじょうを食べているよ、きっと田んぼには亀もいるよ、と孫達に話していました。
 さて、ホテルに着いたら、「日本三美人の湯」という名の通り、肌がツルツルになる温泉に入り、我が家の嫁達も少しは美人になり?次は広間で楽しい夕食。特産のシジミもいただき大満足。明朝に備え、早めに床に入り就寝。
翌朝、5時起きで6時半までに朝食を終え、7時には車に乗って、いよいよ出雲大社へ。
 
  参道の入り口にある駐車場へ車を停めて、巨大な大鳥居の前で写真を撮り、長い参道の神門通りをぶらぶらと、写真を撮ったり、一畑電車の出雲大社前駅を見つけたり。
境内には、流鏑馬(やぶさめ)の馬がたくさんいました。
また境内に、数千人が座れそうな巨大なテント張りの中に舞台が特設されていて、遷座祭の後の11時から、御神楽などが見られるということで、夕方には、野村萬斎さんのお能もあるとのことでしたが、夕方の便で帰京しなければならなかった私達には残念なことでした。
 参道に軒を連ねる松が美しく、お名前を控えてこなかったのが残念ですが、鳥居と一緒にどなたかが寄付された松の木だと書いてありました。
松の木はいいですね。美しい姿もさることながら、松が出す香りの良い空気は体にも良く、昔、療養所は松林にあったものです。
東京ではこんなにたくさんの松の木には滅多にお目にかかれません。江戸の町には木造の家が多く、松の木は松ヤニが燃えやすいので、火事をきらって松を抜いてしまった時期があると聞いたことがあります。
 
  さて、本殿の前まで進みますと、寄付を募るテントがあり、私は1万円、息子も1万円、それぞれ寄付をしました。一般の参拝者と区別するためということで、「出雲大社 本殿遷座祭」と入った白い紙製の輪袈裟の様なものを首にかけ、いよいよ門の中へ入ります。
 そこにもやはり今まで見たこともないほどの大きなテントと数え切れないほどの椅子が整然と並んでおり、遷座祭が始まる頃には、人でいっぱいになっていました。残念ながら遷座祭自体は、更に先の門の中で行われているため、スピーカーからの声しか聞こえませんでしたが、巫女神楽は見ることができました。また、予め配られていた紙に書かれた「謝恩詞」という祝詞を唱和させていただきました。
 無事に遷座祭も終わり、門の外へ出ると、人がいっぱいで、一般の参拝者がたくさんおられるなかで、門の中で参拝できたことはとても誇らしく幸せなことでした。
私達は7人で参加申し込みをしたのですが、7人分のお土産をいただき恐縮しました。


今回、大社からいただいて帰ったものは、

御幣、
夫婦箸、
出雲大社と書かれた御神酒、
あん入り3色お餅3個入り 美保岐(ミホギ)餅
白玉       白髪になるほどに長寿でありますように。
赤玉(紫蘇入り)  顔の血色もよくいつまでも壮健でありますように。
青玉(ヨモギ入り) 瑞々しく若返り若返りヨミガエリますように。(原文まま)
のし紙に、おなおらい と書かれた、お赤飯のアルファー食品。
御香3コ入り
御本殿大屋根檜皮(ひわだ)古材  檜の木の皮が入っていました。
出雲大社の本殿の屋根を60年守ってきた檜の皮をうちへ持って帰れるなんて、なんて貴重なのかと思いました。

 上記の品物が入った手提げ袋を7袋もいただきました。これはあまりにも過分で本当に恐縮するばかりなのですが、幸福のお裾分けとして、兄弟、知り合いにも分けました。
こうして、楽しくもありがたい2日間はあっという間に過ぎていったのでした。
また機会があれば出雲へ行って、出雲の神様に御礼をしたいと思っています。